玄米だけで1日に必要な栄養素は摂れるのでしょうか?
玄米はそれ単体で多くのビタミン・ミネラル等の必要な栄養素を含む食材で、【完全食】といわれています。
お米には【胚芽】とよばれる芽が出る部分がありますが、ここにビタミンやミネラルが豊富に詰まっています。
胚芽を含む玄米は、胚芽を落とされた白米に比べ数倍の栄養素を含んでいます。
このように栄養素豊富な玄米ですが、はたして玄米だけを食べていれば人間は1日に必要な栄養素をしっかり摂ることができるのでしょうか?
まずは、白米と玄米の栄養価の差を見てみましょう。
玄米と白米の栄養素の違い
白米100gと玄米100gの栄養素の違いを表にしました。
摂取カロリーはほぼ同じですが、含まれているビタミンやミネラル、食物繊維には数倍の差があります。
※炊飯前の硬い米粒状態100gの比較データです。
玄米だけで1日に必要な栄養は摂れるの?
玄米を食べる事で、30〜49歳の成人男性・女性1日分の必要栄養素をどれだけ摂取する事ができるでしょうか。
お茶碗1杯を約160gとして計算した結果が次の表です。
ビタミンE、B1、B6、ナイアシン、パテトン酸、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、食物繊維などはお茶碗2〜3杯の玄米を摂取するだけで多くを含んでいます。
逆に、ビタミンA、C、D、K、B2、B12、カルシウムなどは玄米にはあまり含まれていません。
硫黄、塩素に関しては、塩分とタンパク質をしっかりと摂取していれば欠乏症はあまり気にしなくても大丈夫です。
玄米だけでは1日に必要な栄養素全てを摂取する事はできないようです。
玄米に不足している栄養素が欠乏するとどうなるでしょうか?
ビタミンA
ビタミンAは脂溶性ビタミンで、ある程度は体内に貯めておく事が出来ます。
すぐに欠乏症になることはありませんが、ビタミンAが欠乏すると眼球乾燥症、夜盲症、めまい、吐き気、頭痛などを引き起こします。
ビタミンAは、目の障害の治療を助ける、呼吸系感染の抵抗力、免疫系の機能、病気の回復を早める、組織や細胞の外層の健康を保つ、老斑をなくす、骨・皮膚・髪・歯の形成、成長の促進など生活に無くてはならない栄養素です。
ビタミンC
ビタミンCは水溶性ビタミンであり、体外に排出されやすいビタミンですので日々の補給が必要なビタミンです。
ビタミンCが欠乏すると、壊血病、疲労感、うつ、食欲不振などを引き起こします。
ビタミンCは高い抗酸化力があり、LDL悪玉コレステロールの酸化を防いでくれます。
また、コラーゲンの形成、鉄の吸収を助ける、免疫力を高める、発癌性物質からの保護、血栓予防、風邪の予防、細胞の寿命を延ばす、ミネラル吸収の補助、アレルギー症状の緩和、高血圧予防、出血の治療などさまざまな効能を持っています。
ビタミンD
ビタミンDも脂溶性のビタミンとなります。ビタミンDは食事の他に、太陽の紫外線を浴びることで体内でも生成されます。
ビタミンDが欠乏すると、くる病、骨軟化症、老人性骨粗鬆症、虫歯などを引き起こします。
ビタミンDはカルシウムやリンが丈夫な骨や歯を生成してくれる助けをします。また、ビタミンAの吸収を助け、ビタミンA・Cと共に風邪の予防をしてくれます。
ビタミンK
ビタミンKも脂溶性のビタミンです。ビタミンKは腸内菌によっても作られます。
ビタミンKが欠乏すると、お腹の病気、大腸炎、下痢、血が止まりにくくなるなどを引き起こします。
ビタミンKは血液の適切な凝固をうながし、内出血などの予防にも役立ちます。
ビタミンB2
ビタミンB2は水溶性ビタミンです。水溶性ビタミンは体に貯めておく事が出来ないので適量を補給し続けなければならないビタミンです。
ビタミンB2が欠乏すると、口腔・唇・皮膚・生殖器の病変などを引き起こします。
ビタミンB2は成長・生殖の補助、皮膚・爪・髪の健康、視力増進、目の疲労回復、他の物質と共に炭水化物・脂肪・タンパク質の代謝を行います。
ビタミンB12
ビタミンB12は水溶性ビタミンです。ビタミンB12はごく少量でも効果を発揮するといわれています。
ビタミンB12が欠乏すると、悪性貧血、神経に関連する障害などを引き起こします。
ビタミンB12は赤血球の形成、成長促進、神経系の健康維持、脂肪・炭水化物・タンパク質が適切に使われるよう促す、集中力・記憶力を高める、精神安定など人が健康に生活する上でかかせないビタミンです。
カルシウム
カルシウムは体内で一番量の多いミネラルです。
カルシウムが欠乏すると、くる病、骨軟化症、骨粗しょう症、精神の不安定化などを引き起こします。
カルシウムは骨や歯の形成以外に、大腸癌のリスク低減、不眠症の緩和、鉄の代謝を助ける、神経系の伝達を助ける、心臓の規則的な鼓動を保つ、などの効果があります。
カルシウムとマグネシウムは、2:1の割合で血中に存在しようとします。カルシウムが体内に増えすぎると、骨内のマグネシウムが血中に溶けだし逆に骨が脆くなってしまうという症状も起こりますので、バランスが大切です。
硫黄
硫黄はタンパク質の構成要素なので、タンパク質をしっかりと摂取していれば欠乏症はあまり気にしなくて大丈夫です。
皮膚や毛髪をつややかにし、肝臓の胆汁分泌を助けます。脳が平常に機能するのに必要な酵素のバランスを維持する効果もあります。
塩素
塩素は体内のアルカリ・酸のバランスを調整します。塩素は塩の摂取量が適切ならば摂取量は十分だといえます。
塩素が欠乏すると、毛髪・歯が抜けるなどの症状を引き起こします。
塩素は肝臓の機能を助け、体内の老廃物の除去を助けます。体の柔軟性を保ち、消化を助けてくれる効果も持ち合わせているミネラルです。
玄米食のススメ
玄米だけでは、1日に必要な栄養素全てを摂取することはできませんが、それでも必要栄養素の大部分を摂取することができる優れた食品だといえます。
玄米食をベースに補助食品を加えたり、食事の献立を行う事で健康でバランスの良い食事が行いやすくなるでしょう。
玄米に含まれるスーパー栄養素、「フィチン」・「RBF」・「RBA」
フィチン
玄米には【フィチン酸】という、体の毒素排出を手助けしてくれる物質を含んでいます。
フィチンは体内の毒素である重金属や体内に入った放射性物質と結びつき、対外へ排出してくれる効果があります。
RBF(Rice Bran F)
RBFはガン細胞のみに対して、エネルギー供給をストップする役割を持つ物質です。
ガン細胞は放っておけば体内で増殖しつづける物質ですが、ガン細胞が増殖するのに必要なエネルギー供給をストップしてしまう事でガン細胞の増殖を防いでくれます。
RBA(Rice Bran A)αーグルカン
αーグルカンには免疫を活性化させ、免疫機能を向上する事で強い抗がん性を発揮すると言われています。
βーグルカンがアガリスクに含まれており、抗がん作用があると言われているように、αーグルカンにも抗がん作用があると解ってきています。
玄米を食べるにあたっての要チェックポイント
玄米は、白米のように普通に炊いて食べてはいけません!
玄米は硬い殻の中に、【アブシジン酸】という物質を保有しています。
アブシジン酸は、人間の体内のミトコンドリアを傷つける性質があり、接種すると疲れやすくなったりエネルギーを上手く作り出せなくなってしまいます。
玄米を食べるにあたって、このアブシジン酸を無毒化して摂取する事が必要となってきます。
玄米の正しい食べ方
- 1日〜数日、玄米を水に浸し発芽玄米にする。
- 圧力鍋で炊く or 玄米炊きの炊飯器を使う or 5分間乾煎りして普通に炊く
1日から数日、玄米を水に浸しておけば生きた玄米ならばピョコッと胚芽の部分から芽が出ます。
こうして発芽玄米となった玄米を圧力鍋で炊くか、玄米炊きのある炊飯器で炊くか、5分間乾煎りして普通に炊飯で炊くかすると玄米を頂くことができます。
少し手間ですが、これだけの手間を加えても玄米には食べるだけの栄養素が詰まっています。
玄米に『スーパーフード』をプラスしてみよう!
玄米+『スーパーフード』で1日に必要な栄養素は摂れるのでしょうか?
玄米に、多くの栄養を含んでいる『スーパーフード』をプラスした結果がこちらです
→『玄米+スピルリナ』で1日に必要な栄養は摂れる?
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